日本の伝統芸術と芸能
能面と能楽・佛像と佛像彫刻
<その004>
連日、晴天が続いております。梅雨なんて上の空。このままでいいんでしょうか。水不足なんていやですよ。日差しが強いので、海岸に出るとすぐ真っ黒になるほど日焼けをしてしまいます。岩礁のようなところはまともに陽をを受けますので・・・・
PCのウイルス感染には手を焼いています。Windowsのセキュウリティを搔い潜るようなソフトもあるようで。 オタクの得体の知れない奴が四畳半一間の下宿先のようなところで、薄笑いしながらソフトを作っているんでしょうか。悪魔と手を握ると、末路は哀れ・・・なんですがね~。
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先回は仏像の素材が石材について書いて見ました。日本の場合は場所的にはよい石材に恵まれるのですが、木材のように潤沢ではありません。石材は再生が有りませんので、掘り起こしてしまえばそれで終わりです。それに引き換え木材は百年単位の時間は必要ですが、木の再生は可能です。
木曽の尾州材のように、上手に管理していけば、枯渇することはありません。今回はこの木材について書いてみましょう。現在国宝・重要文化財の指定を受けている彫刻2,400件のうち、90%は木材だそうです。
木材は様々な材質がありますが、一番古くから用いられた木材は「樟」だそうで、能面の面打ちにも用いられました。樟は香りがありますので香木に似た木材として、重宝されたのでしょう。次いで針葉樹の檜、カヤが用いられ、桂、欅、桐も用いられました。特に檜は用材の性質も良く、特に木曽の尾州材は最高の用材です。
木材は飛鳥・白鳳時代から使用されており、天平時代の一時期は金銅仏や乾漆仏が流行しましたが、平安時代からは日本の仏像彫刻の主流をなしています。現在でも特別な場合を除き、仏像彫刻は木材、特に檜です。
樟材は材質が堅緻で、しかも彫刻がしやすく、彫り終えた後に漆箔を施した趣がいかにも金銅仏に近似していたという理由があるそうです。
法隆寺・・・・救世観音立像・百済観音・四天王立像・六観音立像
中宮寺・・・弥勒菩薩半足加像 など、皆さんが良くご存知の仏像は樟材です。
木材を用いて仏像を彫刻する場合、丸太を鑿などで削りこんで製作する、所謂丸彫りを想像されるでしょうが、実際はそう簡単ではありません。胴体の部分はそれも可能ですが、手の部分、坐像であれば腰から膝にかけての部分は、一木から彫出することは、巨木でもない限り不可能です。
仏像の彫刻方法は大きく分けて2種類あります。一木造と寄木造です。結構、複雑な手法ですので次回に詳しくご説明しましょう。
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先回の能面コーナーは大宮大和真盛の名品をご覧いただきました。彼の作の名品「逆髪」の掲載していた文献を持っていたのですが、名古屋を去るときにどこかに紛失してしまいました。残念ですが、生憎お見せできません。
この面などは文献からの拙い撮影ですので、実物をそのまま掲載できては居りません。本物をご覧になれば、その素晴らしさが本当に分ると思います。色合いなどは実物の色をカラー写真では出せないのです。博物館、美術館、宗家の展示などで、本物を見る事をお勧めします。
それでは、本日は林原美術館所蔵の面をご覧ください。
十六(江戸時代)
一の谷の合戦で短い生涯を閉じた閉じた平敦盛を写した面です。二番目の修羅能の「敦盛」、「生田敦盛」のための専用面。この面は眉を高眉ではなくハッキリとした眉を描いてある。 面裏の額の部分に「半」という朱書きがあるそうで、俗名を半蔵という大野出目家第六代甫閑の作。
中将(江戸時代)
在原業平を念頭に創作された面で、平家の公達らしく高眉を描き、歯にお歯黒を塗り、当時の貴族の女性化した容貌になっている。「小塩」、「雲林院」、「融」、「清経」、「忠度」などの曲に用いられる。
この手の面は女面と同じく僅かでも彫り間違えると、即OUTになる。難度の高い面である。甫閑作の<十六>はさすがの出来ですね。彼の作は女面でも何作かありますね。
二面共額に穴が見えますが、傷ではなく演能の際に使用するために穿った穴です。女面では見たことはありませんが・・・・
携帯電話を海水没させたので、初めてデジタルカメラで撮影したものです。画面が自由に変えられるので以外と便利ですね。瘋癲老人にはPC,カメラなどのメカは扱いにくい。一苦労します。なにせ、すぐ和製英語のコマンドが画面に出てくるので、すぐ投げ出したくなります。でも、仕様がありません。
では、今回はボロが出ないうちに終わりと致します。
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